内需を増やせ(1/2)2009/03/09 00:56

「内需を増やせ」といわれると「そんなお金どこにある」という反応とともに、もっともらしく「日本のように資源のない国は輸出をしなければ食ってゆけない

「内需を増やせ」といわれると「そんなお金どこにある」という反応とともに、もっともらしく「日本のように資源のない国は輸出をしなければ食ってゆけない。内需ばかり増やしてもその内需をまかなう資源や食糧を買うお金を稼ぐ必要があるから、内需の増加はほどほどにしなければならない」という反応が返ってくる。この反応は一応正しいが一面の真理しかついていない。経済学基礎のような議論をしてみよう。

 

輸出依存の度合いは国内産業の付加価値次第

 

我々の生活を維持するために輸入しなければならない資材や食料が100億円とすれば、この輸入を維持するには輸出が100億円ないと我々の生活を維持できない勘定になる。100億円の輸出をするのに必要な資材の輸入が50億円だとすれば、以下のような簡単な表が作れる(輸入に伴って国内で輸送とか販売といった付加価値が発生するが、話を簡単にするためここではネグる)。

 

輸入

輸出

国内

資材(生活維持用)

100

 

 

 

 

資材(輸出用)

50

商品

100

付加価値

50

 

150

 

100

 

50

 

このままでは輸入が輸出に対し差し引き50億円多いから、誰かが外貨を貸してくれないと日本は必要な輸入を、つまりは我々の生活を維持できない。

 

上記の表でポイントは輸出を100億円行うためには資材が50億円必要だという部分だ。例えば資材11億円で111億円の輸出ができるとすればこの表は以下のようになる。

 

輸入

輸出

国内

資材(生活維持用)

100

 

 

 

 

資材(輸出用)

11

商品

111

付加価値

100

 

111

 

111

 

100

 

つまり付加価値の高い製品を輸出すれば、そんなにあれこれ資材を輸入をしなくても帳尻は合うし、国内に残るお金も多いという話だ。最初の例の倍のお金が国内に残るから、当然内需拡大につながる。

 

内需振興とはまず

付加価値の高い産業に特化することで国内に残る付加価値をあげることの中から発生するものだ

との認識が必要だ。

 


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